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南部杜氏として酒を受け継ぐ・・・・・原 貴志さん(増毛町)


留萌管内、南部のマチ増毛町には1軒の酒蔵がある。
国稀酒造株式会社である。

明治時代から続く酒蔵を支える蔵人の多くは地元の農家の人々である。
国稀酒造の杜氏である原さんも夏は農業を営む農家であるが、
今年の仕込みから南部杜氏としてその腕を振るっている。

原さんの住まいは函館市、北海道最南端の港町である。
昭和39年、函館市で生まれた原さんは北海道大学で農芸科学を専攻し
卒業後はサラリーマン生活を送っていたが、農業の道へと入ることとなり、
27歳の冬、農業の傍ら蔵人として酒造りの道に入った。
「僕の師匠は会津若松の酒蔵で出会った杜氏です」。
助手として杜氏の元で働きながら酒造りの技術を習得した。


「夏は一反五畝(いったんごせ)の田畑を耕し、冬は杜氏として酒屋稼ぎ」
一年の半分を函館で暮し、残り半分を蔵で暮らす。
夜中であっても、仕込みの状況が気になり、蔵を見まわることもあるという。
神経の張りつめる仕事。そんな生活がもう15年以上続いている。

酒造りの魅力は?との問いに、「水のクセをつかみ活かすこと」と答える。
「増毛の水は女性的。」杜氏ならでは表現だ。

今年の仕込みは3月末で終わりを告げる。
杜氏の役目を務めあげ、雪融けの函館へと帰る日がやってくる。
それは、国稀の大吟が人々の元へ届けられる日を意味するのだ。

南部杜氏、原貴志さん。
国稀の味を受け継ぐ職人だ。

2009.03.31 増毛町

杜氏は酒の仕込み、蔵人への技術の伝承と酒造りすべてに気を配り、蔵の味を受け継いでいる。

  国稀酒造株式会社HP

国稀酒造杜氏 原さん
大吟醸の仕込みは寒中1月から2月に行われる。蒸した米に麹菌を混ぜる作業は清聖な儀式のようにさえ感じられる。杜氏の勘と経験が求められる一瞬
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