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母の手が伝える郷土の味・家族の誇り 田中和子さん ( 留萌市

 昭和30年、18歳の和子さんは常男さんと結婚。嫁ぎ先は留萌駅前にある田中青果。姑の田中なつさんが行商から始めた。

当時は、かつぎ屋と呼ばれる人々が早朝から野菜や果物を仕入れお得意先へ向かう。休むまもなく、遠くは天塩町までりんごを売り歩いた。子供たちに淋しい思いをさせたが、和子さんには信念があった。指輪をすることもなく、ひび割れて血が滲む母の手から一所懸命に働く大切さを感じてくれるとの想いだ。

看板商品は「やん衆にしんづけ」、家に伝わる伝統の漬物だ。
和子さんの実母である本間ハマさんは、漬物名人と慕われていた生前ハマさんは「私の漬物を売りなさい。必ず成功するよ」と説いていた。幼い頃から果物が好きだった和子さんは、漬物作りを息子達に託し商いに邁進。なつさん常男さんから引き継いだ店の暖簾を50年余り守り抜いた。


「人様の軒先を借りずに商売がしたい。」自社ビルを持つ夢が和子さんの原動力となった。
平成11年、常男さんが亡くなる直前に残した言葉を和子さんは忘れない。「がんばれ。おまえならできる。」

暖簾を守って50年、田中さんは今日も店に立つ
「やん衆にしんづけ」を命名したのは常男さん。ハマさんの味を継承したのは息子の欽也さん夫婦と義理の息子の元さん。
田中家の味は次の世代に引き継がれてゆく。


店頭に並ぶおいしそうな果物
2008.10.20 留萌市
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